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暇人のイマジン

書評とイマジンを、だだもらしていこうというヴログ。

個人的スピッツ心に残る曲

よしなし

スピッツというロックバンドが好きである。聞き始めたのが中学生の頃だから、かれこれ10年くらいになる。
それまで音楽というものにほぼ興味を示すことがなかったが彼らの、特に草野氏の詩に心打たれ、それきりの虜。それから色んな音楽を聞くようになった。
音楽には色々な側面があると思うが、その詩的な側面から僕は音楽に触れるようになり、そのきっかけがスピッツだった。だからスピッツは常に、僕の心の底にある。


つうことで、なんとなくその気になったので約10年目のファンとして思いつくままに心に残る曲を挙げてみる。


1 コグマ!コグマ!
いきなり新しい曲だが、今一番きている曲。歌詞の意味は諸説あるが、「親から子供へ贈る」というモチーフが納得いく説。響くのは2番の歌詞。


トロフィーなどいらないからこっそり褒めて
それだけであと90年は生きられる
仕事じゃなく少しサイケな夜
バイバイ 僕の分身
幸せになってな ただ幸せになってな
あの日の涙がネタになるくらいに
間違ったっていいのに ほら こだわりが過ぎて
君がこけないように 僕は祈るのだ

こけっぱなしの自分を顧みて、それでも陰ながら応援してくれる親を思い、涙したのは先日。
コグマをキャラクターに選んでいるのも、スピッツらしいっちゃスピッツらしい。かわいらしいものが好きだよね、草野正宗は。裏腹に。でもそこが良い。

曲調がなんとなくミカンズのテーマっぽい。


2 死神の岬へ
初期アルバム「スピッツ」収録曲。どことなく流れる儚げな雰囲気と、野良犬・街灯・ガードレールなど具体的に思い浮かぶ物々が織りなす不思議な感覚が心地よい。


愛と希望に満たされて 誰もかもすごく疲れた
そしてここにいる二人は穴の底で息だけしていた
古くてタイヤもすりへった 小さな車で出かけた
死神が遊ぶ岬を目ざして日が昇る頃出かけた
二人で積み上げて 二人で壊したら
朝日に溶かされて蒼白い素顔が現れた

見るからに憂鬱な二人。死神の岬、つまり二人が心中するって事なんでしょうか。サビで見ているものがパッパと移っていくのは、走馬灯のような感もある。
草野正宗の作詞はほぼすべて、愛とセックスがテーマになっている。それが如実に現れた、スピッツ初期の名曲だと思う。
明らかにライブ向きではなく、メンバーも忘れたような曲なのに、数年前にさいたまアリーナでやったらしい。生で聴きたかった。


3 日曜日
これも初期アルバムで「名前をつけてやる」の曲。ウサギのバイク、日曜日、名前をつけてやる、という曲順がとても好き。「名前をつけてやる」はファンの中でも名盤と謳われる。


晴れた空だ日曜日 戦車は二人を乗せて
川をのぼり峠を経て 幻の森へゆく
昨日の夢で手に入れた魔法で 蜂になろうよ
このまま淡い記憶の花を探しながら

歌詞の解釈さえ覚束ない、非常に詩的な世界でメルヘンかつファンシー。戦車に乗り、戦車がパンチを浴びて、唾液に溶けていく。好きだ、この意味わかんなさ。
そして、レモンの香る湖に飛び込んだ君の背中、の歌詞が好きです。
あとベースがとてつもなくカッコいい。去年の醒めないツアーで生で聞けた。泣けた。


4 ミーコとギター
ミーコを猫の事だと思っていた。なんとなくイメージで。
この曲には、ひたすら部活で休みがなかった中学の夏休みに、わずかに取れたお盆休みで母方の実家の寂れた商店街を早朝ひとりで散歩しながら聞いた、という極めて個人的な思い出がある。
だから、聞くとあの時の涼しい夏の朝の空気を思い出す。


ミーコのぎこちないギターもいい すごくせつない
そしてミーコのうたう恋のうたもいい なぜかうれしい
憧れるだけで憧れになれなかった
手垢まみれのギターと今日も

この曲もベースが堪えられんくらいにカッコいい。ありがたくもYouTubeに「弾いてみた」をアップしている人がいて、幸せ。
「名前をつけてやる」は総じてベースがカッコいい。


5  三日月ロックその3
スターゲイザーのシングル同収録。一般的にはスターゲイザーの方が有名で、この曲は陰ものだがファンの中ではこちらの方が好き、という人が多い気がする。僕もその一人。


いいこともやなことも時が経てば
忘れると言いながらじっと手をみる
何もない田舎道 人ごみの駅前広場
寂しく歩いてた
いつか跳ねたいな 二人して三日月 夜は続く
待ちわびて シュールな頭でただ君を想う

うまく言えないんですが、カッコいいことこの上ない。とにかく。
個人的には、「君だけを」の次くらいに君への想いが強烈だと思う。ただただ君を想う、っていうね。
気になるのは「その3」て所で、ボツになった「その1」「その2」があるらしい。てな事をどっかしらで読んだような気がする。

 

6 黒い翼

おそらくファンでなければまずピンとこない曲。

カラオケでこの曲と「多摩川」が連続で歌われたことは、おそらく人類史上で数えるほどしかないだろうと思う。


いつもモザイクの切れ端だけ握らされ
笑い話のネタにもされてきたけれど
ほら もう二度と負けたりしないから
黒い翼で もっと気高く
無限の空へ 落ちてゆけ

2番です。草野正宗はたまにこういう、自虐からの昇華を歌詞にする感があるね。
この曲、曲名からも感じられるように曲調は暗め。だがすごいのがバックコーラス。どこのコーラスか知らないけど、なんかやけに演出に凝っている感があり、実は贅沢な曲なのかもしれない。


7 夏の魔物
冒頭の、貧しいながらも清らかな青春の真っ只中にいる男女、という図柄が爽やか。
その実、堕児をモチーフにしたという暗い云われがあるというのは有名な話。


殺してしまえばいいとも思ったけれど
君に似た夏の魔物に会いたかった

僕の呪文も効かなかった
夏の魔物に会いたかった


悲しくも、どこか光る何かを感じてしまう。
草野氏は、暗く汚い物事をそのまま出さずに、綺麗でみずみずしさを持った言葉に置き換えるのがとても上手いと思う。そしてそこがスピッツの良さであり、怖さであり、僕を惹きつけてやまない。


8 潮騒ちゃん
ふざけた曲名だなーというのが第一印象で、歌詞の意味もよく分からない。結論、得体の知れない曲。
なのに、異様に響くのはなんなんだろう。正宗マジックか。歌詞を全部載せたいくらい好きだ。


団体行動だったんで 周りの言葉でまどわされ
ばってん もうやめたったい こげなとこから
飛びたい飛びたい飛びたいな

夢なら覚めないでもう少し
同じ匂いの風かいでいたい
きらめくファンシーな世界には
似合わねーって茶化すなよ

あんとき泣いてた幽霊もビートに合わせて手をたたく
すったもんだでラッキー候補さ
潮騒 潮騒 潮騒ちゃん


半端にマニアな寒村で 初めてなめた蜜の味
知っちゃったんなら頑張れそうです
ネバーダイ ネバーダイ ネバーダイです

意外ななんかがいるのなら
ひとまず放っといて下さいませんか?
自力で古ぼけた船を沖に出してみたいんです


この曲のポイントはかわいらしいネム様ワールドが全開である反面、ベース田村明浩が曲の途中で「いこうぜー!」と男の叫びを垣間見せるところね。
なんとも個性的な一曲です。「半端にマニアな寒村で初めてなめた蜜の味」というフレーズを思いつける脳みそが妬ましいぜ。


9 353号線のうた
インディーズ時代の曲で、おそらく唯一のインディーズアルバム「ヒバリのこころ」にしか入ってなかった気がする。
その名の通り国道353号線のことを歌った歌で、メンバーでこの道を通りながら海に行った時の思い出を歌ったそうな。



スピッツ/インディーズ/353号線のうた

月まで続いてそうな坂を上り詰めた後は
地獄の入り口みたいな真っ暗な森に入った
缶ジュースを飲みたくて 車を止めて探したよ
だけどもここでは多分 空き缶さえ見つからない

全部忘れてた ずっと昔の
今ここで君と僕思い出している
裸になれたらいいな

出だしの歌詞が秀逸だなあ、といつも思う。
月まで、つまり空・天空・天国まで続いていそうな坂道と、地獄へと落ちてゆくように暗い森へ駆け下りていく様の対照的な感じ。マンダム。


初期の意味わかんなさが満開で、愛すべき隠れ名曲である。
ちなみに「ニセテツヤ」という方がYouTubeスピッツメドレーをアップしてて、2曲目にこの曲が出てくる。イントロしかないが、あれを聴いたときは少し感動した。そのくらい好きだ、353号線。


10 ジュテーム?
「?」が付いているのがなんともいじらしく、愛らしい曲。


うれしいぬくもりに包まれるため
いくつもの間違い重ねてる
ジュテーム? ばかだよな

別にかまわないと君は言うけど
適当な言葉が見つからない
ジュテーム…そんなとこだ

君がいるのはステキなことだ
優しくなる 何もかも

カレーの匂いに誘われるように
夕闇を駆け出す生き物が
ジュテーム!これからも

君がいるのはイケないことだ
悩み疲れた 今日もまた


ある女性を想う男(多分)が、色々なことを考えて「このままでいいのだろうか」と煩悶する、そんなストーリーが思い浮かぶ。
ジュテームのあとが、?→……→!と変化していくのもなんだか感慨深い。なにかを決意したのかな。

僕が唯一、指弾きできるスピッツの曲。弾き語りがとても似合う曲で、けっこう多くの人が「弾いてみた」をアップしている。

 

こうしてみると、初期のスピッツが好きなんだなあと気付かされます。どの時代でも好きだけど、特にね。
とめどなく溢れてきました、それぞれの曲の思い出が。またそのうち振り返って、一人スピッツの記憶に浸ろう。