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暇人のイマジン

書評とイマジンを、だだもらしていこうというヴログ。

「経済は感情で動く」を読んでの競馬の心得

 先日、競馬を久しぶりにたしなみまして。
挙句、すっからかんになりまして。
勝手に打ちひしがれたわけでありまして。
そんな僕は愚かな人間そのものでありまして。
今日もまた、愚かしく生きていくわけでありまして、この本を読んで、うーむなるほど、得心したことがひとつ。

 

経済は感情で動く : はじめての行動経済学

経済は感情で動く : はじめての行動経済学

 

 
マッテオ・モッテルリーニ。
なかなかハイセンスなお名前の人が書いた本でありんすが、色んな実験を元に経済活動が感情によって動かされていることを分かりやすく説明してくれています。

そんな中で気になったのは、
「人は100万円得した喜びよりも、100万円損したショックの方が大きい」ちゅうものね。


合理的に考えると、金額と損益がもたらす諸々の影響力は均一。なはず。
100万円の損益は数直線上に表せば100万とマイナス100万なわけで、絶対値は一緒。

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にもかかわらず、感情・感じ方というバイアスをかけると、

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となるらしい。
これはカーネマンという偉い学者が発表したプロスペクト理論ちゅうものだとこんなんなるらしい。

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ところでカーネマンて、経済学者になるために生まれてきたような名前ね。

んなことはさておき、そんなわけで金額が同じだとしても、人はお金が入ってくる時よりも出ていくときの方が精神的な揺さぶりがおおきいちゅうことだそうな。
このことを頭に入れて、あの日のわしを回顧する。

 

 

時は、2016年12月10日。
当時、使えるお金は17000円あった。これは競馬用の口座に入っているお金でありまして、先月、クラウドワークスで書評を書いて得た17000円が入っていたのです。

最近財布を無くし、ただの貧乏から困窮の極みにランクアップしていたわしですが、1週間後に入用の用事があったので、それまでになんとかもう少し工面しようと思ったのです。

「なぜ競馬で工面しようとするんだね、君は額に汗して賃金を稼ぐ尊さを知らんのかね、アホな。」という指摘は、この期に及んでまさに痛み入ることになったが、競馬でなんとかしようとしたのには色々とこれまた経緯があるのです・・・。

とにかく、この時点では「17000円持っている、今」という状況だった。しかし、身の程をわきまえずに欲をかいてしまった。今となっては只の阿呆であり、愚かである。

 

そんなわけで土曜日の阪神11R、G3チャレンジカップに挑んだ。
重賞勝ち馬のディサイファや、去年の同レース勝ち馬フルーキーはハンデが重すぎると判断して捨てて、なんだかんだでヒルノマテーラちゅう牝馬を選んだわけね。
騎手は四位、斤量55キロ、追い切りも良好、競争成績を見ても1着はないが3着内はある、8番人気(たしか)。
複勝の買い目としてはええやんすてきやん、と思ってしまったわけ。

これがあかんかった。

8着だった(たしか)。
2着に最後まで悩んだベルーフが入り、関東場ちゅうことで真っ先に切ってしまったマイネルハニーが1着。競馬へたやん、自分。
そな感じで10000円をJRAに寄付してしまったわけ。


もともと少なかった財産が10000円も減ってしまった身としては、残った7000円を保持し、痛みを最小限に抑えるか、明日のレースで取り戻すあわよくば儲ける、という選択肢があり、
10000円無くしたショックがでかかったので、翌日のレースに賭けることに。

 

日が明けて日曜。
阪神ではG1ジュベナイルフィリーズという2歳牝馬のレースがあった。運動会でいうと、小1・2女子の徒競走決勝って感じ。

7000円を元にどうするか、ってなことで予想を始めたんだが、とりあえず一番当たりやすい複勝、そんでもってとりあえず軍資金を稼ぐかって欲深い身の程知らずな考えが浮上して、その前の堺ステークスでピットボスちゅう1番人気の複勝を買った。

 

こいつは強かった。てゆーか鞍上がすごい。
ルメールっていうカエルみたいな名前の外国人騎手なんだが、この時点で当日の勝率10割。4勝だったか。とにかく騎乗が上手く、「ルメは買っとけ」が競馬をやる者の共通項である。

なんだかんだでピットボスが勝ったことで7000円が9100円になった。

ここでやめればよかった。
いつも思うが、競馬に際して「タイムマシンがあればなあ」と思うことが度々あり、30分後に行けたらなあ・・・、5分前に戻れたらなあ・・・と夢想し、レースが終わった後などは「ああ、この時が来るのをあれほど待ちわびていたのに・・」と時の流れの残酷さ、虚無を図らずも痛感するに至るのである。

 

そんなわけで2100円を儲けたのだが、それで満足することはなかった。
なんとしても負け分を取り戻す。そのためにあの時僕は生きていた。

 

ジュベナイルフィリーズでは、ジューヌエコールという4番人気の馬をチョイス。
選んだ理由は様々だが、3連勝して実績も十分、特に大きな欠点もなかったので本来であれば1人気、悪くても2人気が妥当なのだがこれ、4番人気なのは騎手に理由があった。
多分この先1年は覚えているであろうバルザローナという外国人騎手が騎乗していたのである。A級戦犯として僕をはじめ、多くの競馬ファンは忘れないだろう。
助っ人外国人という言葉があるが、日本人は何かと外国人をありがたがる傾向があるが、競馬においては慎重になる必要がある。腕の出来不出来が顕著に現れ、しかも自前の金がかかるわけだから。
哀しいことに、競馬ってその国の環境や馬によっていい乗り方ってのが変わるみたいで、海外で成績を残していても日本では全く活躍できない騎手とか馬とかたくさんいるのね。バルザローナもその一人だったわけ。馬刺しにしてやりたい、できれば。

 

そな感じでバルザローナへの恨みつらみを先に書いてしまったが、結果としてバルザローナ率いるジューヌエコールは惨敗した。4人気にも拘わらず11着という体たらくっぷり。
ゴール板200m前でもうだめだと思って、家で中継見ながら「ふざけんなバルザ!」とちょっと語感がいい感じに叫んでしまった。悔しかった。悲しかった。4人気ならそれなりのレースをしてほしかった。馬がかわいそうである、せっかくいい馬なのに。

そして、なによりすっからかんになってしまったことが痛い。
17000円という金額に関しては、「そんなはした金でブーブー言うない」「17000円で騒ぐ時点で底が知れる」などの意見もあるやもしれないが、窮乏している状況でのこの浪費はとてつもなく大きかった。
肉をくわえた犬が水面にうつった自分と肉を見て、欲をかいて水面の肉も取ろうとしてくわえていた肉を落としてしまった、というイソップ寓話があったかと思うが、僕はその犬である。ワンちゃん、とほほ。


この二日で僕が犯した過ちは二つである。

ひとつ、競馬で有り金を増やそうと思ってしまったこと。土曜に競馬をやったのがそもそもの間違いであった。17000円を得ている、という現実に満足すべきであった。
有り金は、あればいい。有り金はあるだけでまあなんとかなるもんだし、足るを知るにはいい機会である。


ふたつ、得た感動<失うショックの式、プロスペクト理論を知らなかったこと。
これに無知だったゆえに、17000円の現状に飽き足らず、ケガを最小に抑えたことを軽視して、無謀な賭けに出てしまったのであった。
本書でも紹介されていたが、「やって失敗して「やらなきゃよかった・・」と後悔するのと、やらずに成功して「やればよかった・・・」と後悔するのでは、前者の方が衝撃が大きい」ということも認知していなかった。

 

予想は外れることもあるから、まあしょうがにゃい(バルザローナはもう買わんけど)。ただ、上のふたつは自分でコントロールできることであるから、今後は気を付けようと思う。と誓うのであった。

 

 

てな感じで、身近なケースに置き換えて説明できる実験とか説明がたくさん掲載されてるので、日々いかに非合理な感情で経済活動・家計活動を行っているかが分かったりして、この本はけっこう面白かったりする。