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暇人のイマジン

書評とイマジンを、だだもらしていこうというヴログ。

2時間のおっさん

よしなし

ホイホイ。

 

ところで、僕の知り合いというか、かつてのバイト先(とあるラーメン屋)にいたおっさんの話なんだけど。
このおっさんはおっさんもおっさん、おそらく43歳とかそのくらいのおっさんだったから、おっさん以外の何者でもない。おっさんの中のおっさん。

だから年上ということで、知り合いと言うは少しおこがましく、恐縮な感じもする今日この頃なんだけれども、なんと呼ぶべきなんだろうか。と、おっさんの話に入る前に自問自答する。

 

例えば、おじさま、と仮定してみよう。

おじさま、とすると一般的な「おじさま」のイメージとしては、上品なヒゲをたくわえ、上品な帽子をかぶり、上品な手つきで上品にティーを飲むあるいはパイプをふかす、というものだと思う。外見が伴わなくとも、紳士的な行動あるいはオーラ、言動をすると思われる。

さらに、この「おじさま」と呼ぶ人間をイメージするに、おそらく女性なのではないか、それも上品で質素かつ清純なスタイルで、上品で大きな家のよく刈り込まれた芝生の上で、毛並みの美しいゴールデンレトリーバーなんぞと戯れる高貴な女性なのではないか、と推測される。

クラリスはルパンのことを「おじさま」と呼んでいた。
ということは、多分「おじさま」という呼称がふさわしいのは、上品ないでたち、あるいは紳士的に振舞う男性に対して、女性が呼ぶケースであるということになる。

 

そこへいくと、今回の主役であるおっさんは別段上品でもないし、紳士的な振る舞いもついぞ見たことがなかったし、僕は男なので、「おじさま」と呼ぶはふさわしくない。

そして、一人でさんざ考えた挙句、「おじさん」というのが適当だろう、ということでまとまりました。

 

んでもって、このおじさんの話。

このおじさんがなかなか面白い人で、
手が異様にでかい
 →おかげでラーメンの器を7個くらい片手で一気に持てる。
バイトのまかないで好きなものを好きなだけ買ってくる
 →ある日、店の売り上げが悪くなり、原因のひとつに挙げられる。以降、好きな刺身とコーヒー牛乳が買えなくなり、おじさんの食生活は質素に。

店ではおそらく年長者で古株だが、正社員というわけでもなくバイトという扱い(ちなみにこの店のバイトは僕が住んでいた寮の寮生で構成されており、寮生にもバイトリーダーがいたのだが、このおじさんはバイトリーダーの上に君臨する神様のような存在、あるいは真のバイトリーダー)

まかないを作ってくれる時に、「何食う?ミルク?」とか「何食う?にんにく?」などいちいち韻を踏んで聞いてくれる。そしてそれにつっこんでバイトがスタートしていたのだが、今考えると職場のムードメーカーとしてひそかに活躍していた。

AV視聴がもっぱらの趣味で、週初めに5本借りて一日一つずつ消化し、6日目には5本の中のベストを選んで追試を行う。また、AVのことを「アダルト」と呼ぶ(個人的にはこれが一番ツボ)。

365日中、360日は行きつけのスーパー銭湯と食堂に通う。スーパー銭湯のポイントは利用者の中でトップらしく、2位に絶大な差をつけている。行き過ぎて、もはや顔パスでも入れるのではないか、と噂されている。

 

とまあ、知らない人にとっては本当にどうでもよく、くだらないことこの上ないと思われるが、以上のような生き様を通し、アナーキーな寮生の間ではまさに「神様」として崇められ、ファンクラブまである始末だった。

 

僕たちはラーメン屋でバイトするおじさんと大学生というなんら変哲もない関係であったが、熱烈なファンの間ではかなり親しまれていたので、おじさんのセリフ(「何食う?ミルク?」など)も自然と僕たちのあいだに浸透していった。このおじさんのセリフが今回の話のキモである。

 

本題

「銭湯行くの。2時間。」というセリフがある。

当初、「2時間も風呂入ってんのかよ、ワロタ」「そんなに長い間風呂入るなんて、本当に風呂好きだなあ」という安易な感想が一般的であった。

ところが、僕たちの間では次第に語尾ともつかぬが体言止めともつかぬ、いや、体言止めっぽい「2時間。」の使い方にフォーカスが当てられることになり、「おじさんは何をする時も2時間単位で行動するのではないか」という推測が面白おかしく立てられ、「ラーメン食べるの。2時間。」や「寝るの。2時間。」など応用がなされていった(中には派生形として、「アダルト見るの。5時間。」や「食べるの。1分。」など2時間の枠を超えたケースも生まれた)。

 

こうして文字に起こしてみると実にくだらなく、これ以上書くのが虚無にも思えてきたが、もったいないので書く。

 

こうして、「おじさんは2時間単位で行動する」という仮説が立てられ、もし本当にそうならばどうなるだろうか、ということを考えるようになった。

2時間単位で行動するとしたら、1日の行動は12回分に分けられることになる。
小学生などが夏休みの1日スケジュールなどを↓のように書かされたりするが、

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おじさんの場合は、

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このようにオレンジの輪切りのような状態になる。

 

「同じ行動を2セクション続けて行う事は可能か」などの疑問がわくかもしれないが、注目すべきはおじさんは「2時間」という時間の区切りを駆使して生活しており、その2時間ルールを鉄の掟として遵守している、ということである。

 

ある意味、時間管理能力の鬼ともいえる。ここまで2時間という枠に自分の行動を自覚的に収め、パフォーマンスを発揮するおじさんはストイックである。スパルタンである。

 

そこで、2時間ルールの社会における有用性について考える。
モノ・情報に溢れ、行動の選択肢が一昔前と比べて大幅に増加した現代においては、限られた時間の中でいかに行動し、結果を出すか、ということが重要視されるようになった。

しようと思ってもなかなか取り組めない、やめようと思ってもやめられない、あるいは色々やってみたいけど時間が足りない、という事を悩んだ人は多いだろう。タイムスケジュールに特化したハウツー本やシステム手帳などが数多く出回っているのだから。

そこで、このおじさんの2時間ルールを試してほしい。

 

色んなハウツー本が蔓延する世の中において、斬新な手法というのはいつの時代も注目されるものであり、この2時間ルールもひとつのライフハックとして確立されるだろう。
と思う。

 

だから、おじさんにはぜひとも「2時間ルールで人生はうまくいく」を執筆してほしい。そして、印税で好きな刺身を好きなだけ食べ、コーヒー牛乳を好きなだけ飲んでほしい。
いちファンの切なる願いである。

 

 

 

とまあそな感じ。

色々と考察っぽいことをしてみましたがこれ、本題からはほとんど妄想に近しいのが少し哀しいところ。

北海道に行く時は、このおじさんのいるシフトの時を狙って店に行く。
どうか、これからも元気で銭湯に通い、刺身を食べていてほしい。

 

PS:おじさんは5個くらい違うメガネをもっているが、バイトにかけてくるのはいつも一番ぼろい。